最近のOSS-DBの冗長化機能

OSS-DBの代表格、MySQLPostgreSQL。最新の安定バージョンはそれぞれMySQLha5.5、PostgreSQLでは9.0だが、どちらも新機能に関する情報がユーザ会MLやWebだけでなくようやく書籍としても出始めている。開発担当者、インフラ担当者どちらにとっても重要な新機能が複数あるが、個人的な目玉としてはレプリケーションの機能強化がなされた点。MySQLでは非同期アーキテクチャだけだったものがスレーブまで更新情報を伝達した時点(正確にはリレーログに書き込んだ時点)でクライアントに処理終了を返す「準同期レプリケーション」、PostgereSQLでは従来pgpool-iiなどの外装ツールを利用して実現していたレプリケーションPostgreSQL本体の機能のみ(ホットスタンバイ機能+ストリーミングレプリケーション)で実現できるようになっている。
前述のMySQLPostgreSQLの最新バージョンは、RHELなどの商用Linuxの標準リポジトリにはまだ含まれていない(現時点ではMySQLは5.1、PostgreSQLは8.4.7)が、近いうちに標準リポジトリに含まれることを期待したい。

OracleによるMySQL買収後は今後の開発停止などが取り沙汰されたが、その後色々と情報錯綜があったものの最新バージョン5.5はOracleに取り込まれた後のMySQL開発部隊による初めてのメジャーリリースとなる。当面は開発停止ではなく、今後もOracle社としてMySQLの開発継続していく態度を鮮明にしたものと捉えてよさそうだ。
また、これとは全く別にOSS-DBユーザーを中心に「OSS-DB標準教科書」なる初学者向けのOSS-DB学習書を作成するプロジェクトが立ち上がっており、この主体となるDBMSMySQLを完全に廃しPostgreSQLのみを対象としたものとして開発が進められている現状もある(プロジェクト立ち上げ当初から参加者内でも意見が割れていたところ)。なおこのプロジェクトには「linux-text」というMLから参加できる。
ServerやOracleといった昔からの商用DBMSと今や肩を並べるに至った両OSS-DBの今後はどうなるものか、今後の動向が気になるところ。

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